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チャート分析に基づいた取引はインデックスファンドのバイアンドホールドに劣る 〜ウォール街のランダムウォーカーを読んで〜

資産関連

何十年も前に初版が出された名著「ウォール街のランダムウォーカー」。すでに第12版が出ているものの、昔買った第11版を購入していたため重い腰上げて読みました。それをどのように投資に活かしたら良いのかを絡めて自分の考えをつらつらと書いていきます。

概要

「ウォール街のランダムウォーカー」は、株式市場における価格形成プロセスを説明する学説の紹介や株価分析・新しい投資手法の実績を紹介して、その上でどのような投資手法が良いのかを投資初心者~中級者向けに解説している本です。

本書の結論としてはインデックスファンドを購入して長期に保有することが最も幅広くおすすめできる投資戦略だとしています。それ自体はよく言われている言説ではあるものの、株価形成プロセスの学説から丁寧に説明されているため、インデックスファンドに限らず様々な投資戦略についての解像度があがります。そのため、短期トレード・インデックス投資・個別株投資いずれにも必須の基本概念を身につけられるような構成になっています。

高度な数式を用いた説明は特にないため、数学を得意としない方にも十分読み進められます。一方で、数式で理解したい方には少し概念的・抽象的すぎるかもしれないです。

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投資の流派と投資戦略

本書では、株式投資には「チャーチスト(テクニカル分析/砂上の楼閣学派)」と「ファンダメンタルズ学派」の2つの主要な考え方を紹介しています。
「チャーチスト」は、需要と供給を基にして株価を予測するためにチャートを用いたテクニカル分析を行います。
一方、「ファンダメンタルズ学派」は、企業価値に注目し、成長率・配当・金利などから理論株価を算出し、それを基に取引を行います。

しかし、どちらもうまくいかない点があり、単純にうまく機能するわけではないと説明されています。
たとえば、「チャーチスト」は過去のトレンドをベースにしているため、急な価格変動や多数のトレーダーが同じシグナルを使うことそれ自体による価格変動によりうまく機能しない場合があります。
「ファンダメンタルズ学派」は、価格が理論株価に収斂していくことを前提としていますが、その前提がうまく機能せずに理論株価に向かって動かない場合や、そもそも参考にした情報が正しくない場合がありうまくいくとは限りません。
その上で、小型株投資やバリュー株投資、ベータに基づく取引戦略(スマートベータ)がインデックスファンドのバイアンドホールドに対して優位性がないことも指摘されています。

このような説明から、本書では、株式投資の結論として、インデックスファンドを購入して長期的に保有することをお勧めしています。※1

※1 本書では他にも多くの投資手法や考え方が紹介されていますが、ここでは割愛しました。

実際の投資にどのように活用していくか

本書は、基本理論に忠実であり、抽象度の高い説明も多いため、具体的な情報の取得や投資方針の検討に役立てられそうです。(アメリカでの話が中心ではありますが、基本理論から説明があるため、日本でも役立つと思われます。)

本書の説明には、チャート分析/テクニカル指標について否定的な意見もありますが、日本でもWBSなどのニュース番組で否定的に書かれていたことが説明されている場面があったなあ…と思う箇所もあったり…

また、Twitterなどの投資に関する情報を参考にする方にも役立つでしょう。読者自身で、投資に関する情報の根拠や信憑性を判断するための基盤を築くことができます。

個人的に印象に残った箇所は、テクニカル分析の有効性に関する議論です。本書では、過去のデータを元に、典型的なテクニカル分析手法のいくつかを検証した結果、いずれもバイアンドホールド戦略に勝ることはないと結論づけています。(優位性がないため、手数料分劣る)たとえば、支持線/抵抗線を抜けたら買い売りを実行する戦略(ヘッドアンドショルダーズトップ(三尊)など ※以下リンク参照)も、単純なバイアンドホールド戦略と同等のパフォーマンスであったとしています。

フォーメーション分析/ヘッドアンドショルダーズ | はじめてのテクニカル分析 / マネックス証券
ダブルフォーメーションと比較して出現頻度が高くなく、高い確率で「トレンド転換」を判断することができるのが、ヘッドアンドショルダーズです。相場の天井を示すヘッドアンドショルダーズトップ、逆に底を示すヘッドアンドショルダーズボトムがあります。

紹介されている分析は、(おそらく)アメリカ市場をベースにしているものであり、過去のデータを元に検証された結果であるため、市場やタイミング、少しのアレンジによって有効である可能性もあります。個人的には、本書の内容をベースに自分なりの投資ポリシーを構築することが、投資活動に役立つのではないかと考えています。

読むべき人

株式投資に少し慣れてきた初心者が最も良い対象だと思います。
専門用語などが出てくるため本当の初心者には少し難しいですが、チャートや株式の本来の価値などに注目することが何を意味するのかを基礎から学ぶことで、自分で考えるための土台を作ることができます。それにより、詐欺的な投資の誘いに騙されることを防ぎ、堅実に投資活動を行えるようになるでしょう。

私自身も本書などで得た知識を下地として、投資に活かしていきます。

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